鳴子温泉 ホテル亀屋 (宮城県大崎市)

共通
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性・中性・高温泉)
泉温:78.2度
pH:6.9


一階(内湯「亀の子」、露天)
使用位置温度:67.6度
加水あり、掛け流し、消毒あり


六階(展望大浴場)
使用位置温度:46.6度
加水あり、加温あり、循環あり、消毒あり

三陸旅行で宿泊した宿。二階〜五階が客室と、そこまでバカでかい宿ではないのに、浴場が一階(内湯+露天)と六階(展望大浴場)の2箇所あるのが珍しい。宿に到着したのが20時前で、かなり疲れてたのもあって、当日は片方にじっくり浸かることに。どっちに入るか少し迷ったんだけど、「一階は24時間、六階は夜間休止」「一階のみ露天あり」という記述があったので、一階がメインと判断し、まずは一階を攻めることに。

一階は、中くらいのヒノキ内湯に、キャパ3〜4人程度の細長い露天。露天からは、陸羽東線の線路が見えて、ローカル線にしては結構な頻度*1で列車が通るので、けっこう楽しい、特に夜。内湯・露天ともに加水ありの掛け流しで、適温で、長湯上等。加水で温度落としているものの、それでもだいぶ湯温が高いので、湯船への流入はだいぶ絞ってます。お湯の色は、墨汁をたっぷり垂らしたような墨色で、浸かると腰の輪郭はかろうじて見るけど、爪先までは見えない。そして匂いが特徴的で、例えて言うなら野焼きのそばをクルマで通ったときのような、焦げた感じのにおい。揮発成分が多いようで、湯口からの湯気の匂いはまるでガソリンスタンドです。炭酸水素塩のせいか、浴感は割ととろっとしていて、それでいて中性だからか溶けすぎず、ほどよく底打ちする。これは良い湯!

さて、翌朝行った六階展望大浴場は、部屋のどまんなかに、六角形を二つあわせたような「∞」形の浴槽がどーんと鎮座していて、その周りを3面ガラス窓、1面シャワーで埋めたような形状。お湯の温度はやや高め。「∞」の奥側へこみ部分に湯口があって、浴槽よりだいぶ温度が低いお湯がどばどば注入されている。湯口の真下には、泡のないジャグジー的な、かなり強いジェットがあって、そっからのお湯はかなり温度が高かったので、ここが循環湯の出口と思われる。循環濾過とはいえ、結構な量のオーバーフローがあったので、湯口から加水源泉どばどば入れて掛け流しつつ、循環加温濾過装置を併用していると推定。吸水口は探してない。浴感やお湯の色などは、一階ほど強烈ではないものの、それでも個性を十分に保っていたので、循環にしてはとても良心的なお風呂だと思う。循環で、しっかり濁りが保たれてるお湯って、そうそう無いもんなあ。六階だけ入っても「良い湯だなあ」って感想書いたと思う。雰囲気からして、六階が元々の設備で、一階は後から増設したのかもしれない。

日帰り入浴は、一階に入れるようなので、お湯の個性を存分に味わえます。鳴子温泉の外縁にあるので、なかなか湯巡り経路には入らないかもしれないけど、機会があればぜひ。

*1:上下合わせると30分に1本くらい?