大湯温泉 岡部荘 (秋田県鹿角市)

泉質:ナトリウム-塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
泉温:49.0度(「40度と60度の源泉を混合して利用」との記述あり)
pH:7.8
源泉掛け流し(加水なし、加温なし、消毒なし)

雪が舞うなか、大湯温泉に立ち寄りました。

ここの売りの「大正風呂」は、その名の通り、大正時代に造られたという石風呂。脱衣所や洗い場などは最近リニューアルされたようで、とてもきれい。浴槽は、大正時代からのもののはずなのに、周囲の内装・設備にうまく調和していて、まったく違和感なく、浴室として完成されてた。大正昭和平成なんていう時間スケールとは、全く違う時間を生きる「石」だからこその、あの違和感のなさなのかな。不思議。

ここの風呂が面白いのは、自然湧出する源泉を、動力揚湯なしに利用するために、浴室を半地下に造ってるとこ。廊下から風呂の入口を入ると、脱衣所から浴場にかけて、階段で下っていきます。さらに、湯口は、適温のお湯を十分量掛け流すために、温度の違う2種類の源泉を混ぜて温度調整する仕組みになっていて、これまた面白い。仕組み、といっても、源泉2系統の水路に木の水門みたいなのが付いていて、それを上げ下げして混合比を変えるだけなんだけどね。高温泉の掛け流しって、どうしても湯量絞らなくちゃいけなくて、それでお湯がよどんじゃう場合が多い気がするんだけど、ここはこの仕組みのおかげで、豊富にお湯が入ってて*1、とてもきれいで快適。

ちなみに、ここのお湯は無色透明のさらりとしたお湯。飲泉可能とのことなので、飲んでみると、ミネラル味とともに、硫黄系の含み香。強すぎず、飲泉初心者の私でも嫌な感じせずに飲めます。浴感は、とろみは無く、さらっとしていて、上がった後もきもちいい。こういうお湯好きだなあ。

時代を超えた浴槽に、きれいな設備。宿の雰囲気もすごくよかった。そして、うまく工夫されてるおかげで、豊富な湯量で、源泉の個性を余すところ無く味わえる。ここ泊まりたいなあ。

*1:ケロリン桶が5秒で満タンになるくらいの湯量